自分で顧客に提案する資料を作ろうとして頭を抱えてしまう方は多いのではないでしょうか?上司から資料を作るように頼まれたものの、初めての資料作成でどうやって作ればいいかわからなかったり、コツがわからず作るのに時間がかかりすぎてしまう人もいるかもしれません。

資料の制作によく利用されるPowerPoint(パワーポイント、通称パワポ)は誰でも使いやすいツールですが、パワポの操作ができることとわかりやすい資料が作れることは別問題です。

それでは、資料はセンスがないと作るのが難しいのかというと、そんなことはありません。

資料作成にはコツがあります。そのコツをしっかり押さえておけば、パワポ初心者であってもわかりやすく相手を説得できる資料を作ることは十分可能です。そこで本記事では、特に経営者や個人事業主、あるいは販売や営業に関わる方が顧客に提案するための営業資料やサービス紹介資料、提案書や企画書を作る場合に重点を置いて、資料作成のコツを解説します。

資料作成で押さえるべき6つのコツ

資料を作るうえでのポイントとして、以下の6つを考慮すると質の高い資料を作りやすくなります。

  • 顧客の課題感
  • コンセプト
  • コンテンツ
  • 情報量
  • ストーリー
  • デザイン

1つずつ詳しく見ていきましょう。

コツ1. 顧客の課題や悩みを考える

資料を作り始める前に、まず相手が何に課題や悩みを抱えているのかを考える必要があります。あなたが仮に世界一おいしいラーメンを作れたとしても、お腹いっぱいでもう何も食べられないという人にラーメンを買って食べてもらうのは難しいでしょう。逆にイマイチおいしくないラーメンしか作れなかったとしても、3日間何も口にしていない人に売れば3000円でも食べてもらえるかもしれません。

これは極端な例ですが、営業する相手はどんな悩みを持っていて、自分の扱う商品がそれをどのように解決できるのかを考えましょう。これまで利用したことのある顧客にアンケートを取るのも有効です。

コツ2. 商品・サービスのコンセプトを明確にする

商談をするにあたって資料で伝える商品・サービスの軸となるのが、コンセプトです。コンセプトとは、辞書で調べると「企画・広告などで全体を貫く基本的な観点・考え方」と出てきますが、「誰に対して(ターゲット)」「何を伝えるか(訴求ポイント)」を特徴立てて一言でまとめたものだと考えていただくとイメージが付きやすいかと思います。

前のステップで顧客の課題感を考えておけば、それだけでもターゲットと訴求ポイントがぼんやり浮かんでくるかもしれません。

注意しなければならないのが、あなたの扱っている商品・サービスが比較検討されやすいものか、そうでないのかによって打ち出し方が変わってくるということです。比較検討されやすい商品・サービスであれば、競合他社とどこが違うのかが明確にわかるコンセプトが好ましいですが、そもそも世の中にあまり出回っていない商品・サービスを販売している場合は、まずはそれがどのような価値をもたらしてくれるのかを資料に盛り込む必要があります。

コツ3. 相手が聞きたい情報に沿ったコンテンツを作成する

コンセプトが最も伝えたいことだとすると、そこに続くコンテンツ(中身の内容)はコンセプトを補強したり、説得力を持たせるものです。

コンセプトで説明した「競合比較されやすいか否か」がここでも重要になってきます。商談相手がすでに類似した商品やサービスを扱っている会社から話を聞いている可能性もありますし、最近は担当者が自分で求めている情報をインターネットで探して相見積もりを取っているケースも珍しくありません。その場合は他社よりも圧倒的に価格が安いなどでなければ、自社の商品・サービスの優れている点を明確に資料で伝えなければ選ばれるのは難しいでしょう。

それでは、どのようなコンテンツが必要なのでしょうか?営業資料や提案書に入れると効果的なコンテンツを一例として以下に挙げます。

  • 商品への想い:その商品・サービスが誕生した経緯が特徴的だったり、そこに強い想いが込められている場合は、伝えることで相手の共感を得ることができます
  • 強み・特徴:他社と比べて何が優れているのか、その理由などを示します。コンセプトとマッチした強みを示せると資料の流れに一貫性を持たせられるでしょう
  • 実績:成果物がある場合はその写真や実物、無形商材の場合はサービスを利用した顧客が得られた成果などを掲載します
  • お客様の声:口コミが重視されるように、実際に商品・サービスを体験した顧客からの感想や満足の声は効果的です
  • 料金プラン:価格は顧客が最も気にしているものの1つです。見積もりが必要な商材の場合も、あらかじめ概算の金額を示すことで予算内かどうか判断してもらいやすくなります
  • 利用や契約後の流れ:試してみたいという顧客に対して、今後どのような流れで進んでいくかを示すことで安心感を感じてもらうことができます
  • よくある質問:見込み客の疑問や懸念を解消するコンテンツです

上記の内容がひと通り盛り込まれていれば、説得力があり興味を持ってもらいやすい資料になるでしょう。

コツ4. 多すぎず少なすぎない適度な情報量を盛り込む

コンテンツは多ければ多いほど良いというわけではありません。初対面でいきなり100ページの資料をドサッと渡されたら困りますよね。大切なのは、購買の意思決定のために必要十分な情報を資料で伝えることです。

営業する相手のタイプや関係値にもよりますが、一般的に商談で一方が話す時間は10~20分以内で収めるのが理想です。資料を使って長々と説明していると相手も疲れてしまったり話を聞くのに飽きてしまうので、そうならない適度な情報量にしましょう。

また、資料全体の情報量だけでなく、1ページあたりに盛り込む情報量をコンパクトにまとめることも大切です。資料をデータで渡してじっくり見てもらう場合は別ですが、対面の商談で資料を使う場合、文字が細かすぎて見えなかったり、話で触れない情報がたくさん書かれている資料は好ましくありません。1枚のスライドにつき1つのメッセージのみを伝えるような見やすい構成にするといいでしょう。

コツ5. 心を動かせるストーリーを作成する

伝えるべき内容がすべてが決まったら、最後に順序を整えてストーリーや流れを作りましょう。この時に、実際にプレゼンで話すシミュレーションをしながら検討するのがおすすめです。

同じことを話しても話の順序によって伝わりやすさは大きく変わります。商談相手が退屈しないよう疑問を投げかけて考えさせるスライドを挟んだり、自分の体験談と絡めたエピソードを入れるなど、工夫のしどころが多いので、どの展開がより印象に残りやすいかを考えて資料を作るといいでしょう。

コツ6. ブランドイメージに合わせて資料のデザインを整える

意外かもしれませんが、ここまで完了してはじめて資料のデザインを整えていきます。資料作りはデザインに目が行きがちですが、どれだけ洗練されたデザインでも、アピールしたい商品・サービスの強みや魅力がわかりづらかったり、情報がごちゃごちゃして何が言いたいのかわからない資料では相手の行動を促すことは難しいでしょう。そのため、しっかりここまでの段階を経てからデザインを検討することをおすすめします。

デザインのポイントはまた別の記事で解説しますが、まずはコーポレートカラーやブランドカラーで使用している色味をベースに、多くても5色以内を使うようにしてください。色数が多すぎたり、原色を複数使っているとそれだけで視認性が悪化し、強調したいところがわかりづらくなってしまいます。仮に企業のロゴが青系であれば、その色+濃淡を変えた同色を1~2色、アクセントカラーで赤やオレンジ系を1~2色といった具合です。

また、アイコンやイラスト、写真や図解を使うことで文字ばかりで読みづらい資料になることを防ぐことができるので、無料素材サイトなどで探して画像を挿入し、視覚にも訴えかける伝わりやすい資料を目指しましょう。

まとめ

資料作成のコツについて解説しましたが、新たな発見や気付きはありましたか?資料作りはデザイン以上に構成が大切です。本記事を参考に、相手に何を伝えれば商品に興味を持ってもらえるのか、購買や受注につなげられるのかを考え、営業資料や提案書を作成する練習を積めば、きっと相手の行動を促せる資料が作れるようになるでしょう。資料作成に悩んでいるビジネスパーソンにとってお役に立てば幸いです。

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本記事を読んでも資料の作り方に悩んでしまう、もしくは自社の商品・サービスの場合どのように打ち出したら良いかわからないといった方もいるかもしれません。そんな方のために、資料作成の無料相談も受け付けています。資料作成のプロがアドバイスさせていただきますので、ご希望の方は問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。